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コラム

2018.06.22
個人事業主から法人になった方が税制的には得?かどうかを検証

個人事業主から法人化を考える分岐点とは?

フリーランスや副業が儲かってきたというような場合、個人事業主から法人にした方が税金の負担が軽減されると思う人も多いかもしれません。

その分岐点として所得が900万円を超えたあたりから急激に税率が上がります。また1000万円以上の売上が続くと消費税の支払いも必要になってきます。

しかしながら、税金負担を減らすだけの目的で法人化をしても、別の負担ができてきます。

今日は個人事業主から法人化した時の注意点を伝授したいと思います。

法人化することで新たに生まれる負担とは?

個人事業主から法人化するにあたり、以下のような新たな負担が生まれます。

①事務的負担

まず法人化する場合は、会社設立のための登記費用がかかります。

それだけではなく、法人化すると提出書類が増え、個人事業のときはなんとか自力で会計処理や税務申告を行ってきたという人でも内容が複雑なため、税理士や会計士などに依頼しなといと難しくなります。

また経営者となると本業に集中しなければならず、税務・会計への時間も取れないので専門家に頼まざるを得ません。

②税務調査の負担

法人の場合、税務調査もより厳格に行われます。

またある程度の法人規模になってくると、税務調査を受ける確率も高まり、日々の会計処理も厳密に行う必要があります。

③社会保険料負担

また正社員を雇う場合、社会保険は強制加入となります。

諸手続きを延滞なく行い、従業員の社会保険料を負担しなければいけません。

またここ数年、社会保険料の料率が引き上げられており、会社の負担がおおきくなっているので、人を雇う際は注意が必要です。

④経費負担

法人の場合、各種リース料、電話代、保険料などが個人よりも高く設定することがよくあります。

経費負担が多くなることも考慮しなければなりません。

法人化することのメリットとは?

以上に法人化することの負担を見てきましたが、法人化することのメリットもあります。以下が主なメリットです。

①取引の際の信用度が増す

代表者の肩書を持っていると他社の上層部に営業をかけやすくなるでしょう。

②税負担が軽くなる

一定以上の所得であれば、個人事業主よりも税負担が軽くなります。

③給与所得控除を自分の給与に使える

④退職金を支給できる

また適正額までは、会社の損金にできます。

⑤優秀な人材を確保しやすくなる

会社が従業員の社会保険料の一部を負担することになり優秀な人材を確保しやすくなります。

⑥決算日を自由に決めることができる

個人事業主から法人化する際は、まずは税理士、会計士などの専門家に相談し、判断するべきと言えるでしょう。

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この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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