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2024.01.31

【経理代行会社が教える】バックオフィス業務でアウトソーシングすべきものは？

☑バックオフィス人材が不足している。

☑バックオフィスのランニングコストを軽減したい。

☑どのようなバックオフィス業務をアウトソーシングしたらよいかわからない。

どの企業でも必ず発生するバックオフィス業務ですが、多くの企業が各々の課題を抱えていると言われています。今回のコラムでは、バックオフィス業務の中でも、特に経理業務にフォーカスして、業務の一部を外部に委託してアウトソーシングによる解決法についてご紹介します。

そもそもバックオフィスとフロントオフィスの違いとは

バックオフィスとは「後方支援」「事務部門」を意味します。バックオフィスは直接利益を生み出す業務ではありませんが、企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどの企業運営を担う重要な業務です。バックオフィス業務では社内の従業員や外注先とコミュニケーションをとる一方で、顧客と直接関わることはありません。例えば、総務、事務、経理・財務・会計などが該当します。
一方、フロントオフィスとは顧客とコミュニケーションをとる機会のある、利益に直結する業務を指します。そのため、フロントオフィスは、企業の「顔」とも言われています。例えば、営業職や受付業務、コールセンターなどが該当します。
バックオフィス業務は、直接利益を生まないとは言え、企業の資金繰りに関わる経理・財務・会計は、特に企業かつ重要な業務です。今、その経理部門において、多くの企業が様々な課題を抱えていると言われています。具体的にどのような課題があるのか次に見てみましょう。

バックオフィス：経理部門の3大課題

多くの企業が経理部門において抱えるのが以下のような課題です。

①紙での書類管理が中心である
経理部門は特に、請求書、領収書など各種書類を紙面で受理、作成・管理し、印鑑を使用しているという文化が根強いです。経理業務における電子化の遅れは、業務効率の低下やテレワーク導入が難しいなど多くの問題を生んでいます。

②属人性が高い
属人化とは、特定の業務を特定の人が担当し、その担当者がいないと、業務の手順や状況がわからない状態のことを言います。バックオフィス業務の中でも、特に専門的な知識を要する経理業務は、簿記などのスキルや知識だけでなく、長年の経験が必要なため、業務が属人化しているという課題を抱える企業が多くあります。業務が属人化すると、ミスや不正が発覚しにくい環境になりやすいです。更に、異動や離職する際の業務引き継ぎが難しい、業務が滞りがちになるという問題が起こりがちです。

③経理人材が不足している
バックオフィス業務は、フロントオフィスに比べて、マンパワー不足になりがちだと言われています。その理由は、企業は営業やマーケティングといった売上に直結する部門への人材配置を優先し、直接利益を生み出す部門ではないバックオフィス部門への採用は、優先順位が低く、人員を最小限にする傾向があるからです。バックオフィス業務の中でも特に人材不足になりがちなのが、経理部門だと言われています。というのも、経理業務は、簿記の習得など専門性が高い知識が必要なため、他部署から人を異動させて人手不足を解決しようとしても適任者がいない、仮に外部から採用しようとしても、なかなか自社の求めているスキルと経験を持った人材と巡り合えないというのが現状だからです。

アウトソーシングができる経理業務

アウトソーシングに向いているのは、全体の業務フローとプロセスが定まっている定型業務です。バックオフィス業務の中でも、経費業務は、定型業務が多いため、アウトソーシングに向いており、経理代行会社に委託する企業が近年急速に増えています。
具体的には、以下のような経理業務を経理代行会社にアウトソーシングすることができます。

①記帳代行
記帳代行とは、経理代行業者に経理資料等を預けて、複式簿記による帳簿作成をアウトソーシングすることです。具体的な作業としては、会計ソフトなどへの入力作業、試算表の作成まで依頼することができます。

②領収証・請求書整理
領収証・請求書の整理は税務調査の際に「正しく経理処理を行っている」ことを伝えるための重量な資料ですので、日々きちんとファイリングをしておかなければなりません。とはいっても、領収証や請求書を月別日別に整理してファイリングするには、時間がかかります。この面倒な作業を経理のプロに依頼することができます。

③現金出納帳精査
領収証・請求書と現金出納帳の照合を依頼することができます。経理のプロにアウトソーシングをすることで、作業の手間が省けるだけでなく、記載ミスなどのヒューマンエラーを防止することができます。

④支払予定表作成
請求書からの支払予定一覧表作成を依頼できます。支払サイト（取引期間の締め日から支払期日の期間）に合わせて作成してもらえるので、当月だけでなく次月以降の資金繰りにも役立てることができます。

⑤振込・支払い代行
各種金融機関（都市銀行、地方銀行、郵便貯金、信用金庫など）への振込や、税金納付などの支払い作業の代行を依頼することができます。

⑥請求書発行代行
経理代行と合わせて、請求書発行も依頼することができます。

⑦売掛金・買掛金管理
支払い・振込代行だけでなく、支払いが正しく行われているかのチェックも依頼することができます。また、売掛金の入金が正しく行われているかの確認も合わせて委託することができます。

⑧銀行口座残高管理
自社の口座から不正に引き出された形跡、不明入金、月間を通じて金額に誤りがないかなどの確認を依頼することができます。

バックオフィス業務をアウトソーシングするメリット

経理業務を経理代行会社にアウトソーシングするメリットは主に以下の4つです。

①経理のプロに依頼できる
経理代行会社のスタッフは経理業務のプロ集団です。スタッフは通常、簿記2級以上の資格やそれと同等の経験を持っているので、正確かつスピーディーなサービスを受けることができます。更に、経理代行会社によっては税理士が監修している場合もあります。経理代行サービスをアウトソーシングする際、税務の専門家がいるかどうかも、アウトソーシング先を選ぶ際の重要なポイントとなります。

②人件費を削減できる
経理のプロ集団である経理代行会社にアウトソーシングをすると「高いのでは・・・」と思われる方も多いかもしれません。経理人材の確保方法として「経理代行」「正社員」「派遣」の３つがありますが、それぞれの月額費用を比較してみましょう。
正社員の場合、月給が毎月20万円以上かかります。派遣社員の場合、週２回程度、もしくは時短で週３～4日以来した場合に月10万円程度がかかります。
更に、正社員や派遣の場合、年度末などの繁忙期やそうでない時などに関わらず、月々の給与が固定費用としてかかります。アウトソーシングの場合、自社の業務ボリュームに合わせて依頼することができ、その分だけ支払えばよいので、実は正社員や派遣を採用するよりもコストを抑えることができます。

＞関連ページ「経理のコストカット診断」

③経理業務が属人化しない
経理業務をアウトソーシングするにあたって経理担当者によるところの経験や勘などのノウハウを明文化する必要が出てきます。アウトソーシングをすることを機に経理業務を標準化することができます。

④継続的で安定した業務遂行ができる
正社員や派遣社員の場合、退職により業務が滞ってしまう危険性があります。ですがアウトソーシングの場合、経理代行会社の担当者が万が一、異動や退職してしまった場合でも、アウトソーシング先社内で情報共有や引継ぎがなされるため、経理業務を半永久的に継続できるだけでなく、引継ぎ等の手間を省くことができます。

【４つのメリットのまとめ】

経理業務をアウトソーシングする際の注意点

このようにアウトソーシングするメリットが高い経理代行業務ですが、一方で以下のような3つの注意点があります。

①業務がブラックボックス化する危険性がある<
アウトソーシングをすることで、従業員がバックオフィス業務に関わる機会が減り、経理処理のフローや内容を社内で把握できず、万が一問題が発生した際に原因の特定に時間がかかってしまうとうことが懸念されます。

②情報漏洩のリスクがある
業務をアウトソーシングする上で、自社の情報を委託先に共有する必要があるため、情報の取り扱いに注意をしないと、情報漏洩を起こしてしまう危険性が発生します。

③社内に経理のノウハウが蓄積されない
経理業務をアウトソーシングすると、社内で経理人材が育成されないというデメリットがあります。ただし、その分、別の業務にマンパワーを投入できるというメリットがあります。

アウトソーシングを機に経理業務をクラウド化

経理業務を委託する際に、上記のような注意点を克服し、効率よくアウトソーシングするには、クラウド会計を導入することをお勧めします。クラウド会計とは、インターネット環境があればブラウザからログインして利用できる会計サービスです。従来のインストール型の会計ソフトだとインストールしたパソコンだけでしか作業ができないため、アウトソーシング先と社内で経理業務を共有することが難しいです。
クラウド会計を導入することで、アウトソーシング先と社内の両方から会計ソフトにアクセスできるため、情報を共有しやすく、紙の書類のやり取りも軽減できるため、情報漏洩のリスクも軽減できます。

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この記事を担当した税理士

サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)

保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。

専門分野税理士、行政書士、MBA

経歴経理体制構築、経営計画サポート

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