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コラム

2026.01.28
経理アウトソーシング失敗の事例と防止策|成功のポイントを経理専門家が徹底解説

経理アウトソーシングが失敗する主な原因を知りたい。経理アウトソーシングを成功に導くためのポイントを理解したい。実際の失敗例を踏まえた、具体的で実践的なアドバイスを得たい。

経理アウトソーシングが失敗する主な原因を知りたい。

経理アウトソーシングを成功に導くためのポイントを理解したい。

実際の失敗例を踏まえた、具体的で実践的なアドバイスを得たい。

近年、多くの業界で深刻化している「人手不足」。その解決策として、専門業務を外部に委託するアウトソーシングサービスが注目を集めています。経理業務も例外ではなく、記帳代行や給与計算、労務管理などを外部に任せる企業は年々増加しています。

しかしその一方で、「本当に経理を外注して大丈夫なのか」「むしろ管理の手間が増えるのではないか」と不安を抱く経営者の方も少なくありません。実際、委託範囲が曖昧なまま契約してしまったり、情報共有が不十分だったりすることで、アウトソーシングがうまく機能せず、利益の把握が難しくなったり、事業の実態が見えにくくなったりするケースも見受けられます。

経理アウトソーシングは、適切に活用すればコスト削減や業務効率化に大きく貢献しますが、運用を誤るとトラブルにつながる可能性もあるサービスです。
そこで本記事では、税務の専門家の視点から、経理アウトソーシングのメリットや注意すべきポイント、よくある失敗例、そして信頼できる業者の選び方までをわかりやすく解説します。

>関連コラムはこちら『経理アウトソーシングで失敗しない!業者選びのコツ5選

経理アウトソーシングが失敗する5つの原因と防止策

経理アウトソーシングがうまく機能しない背景には、以下の共通する問題があります。

コミュニケーション不足

経理アウトソーシングがうまくいかない理由のひとつに、コミュニケーション不足があります。経理業務は数字だけを扱うように見えて、実は社内の細かなルールや背景情報に強く依存しています。しかし、その前提が十分に共有されないまま業務を委託すると、アウトソーシング先は判断材料を欠いた状態で作業を進めざるを得ません。

その結果、認識のズレや作業漏れが発生しやすくなり、手戻りや締め処理の遅延につながります。「伝えたつもり」「分かってくれているはず」という思い込みが積み重なると、双方に不満が生まれ、アウトソーシングの効果が十分に発揮されません。

こうした問題を防ぐには、コミュニケーションルールをあらかじめ整備しておくことが欠かせません。たとえば、定例ミーティングを設定して進捗や課題を共有する場をつくることや、連絡手段やレスポンスのルールを明確にしておくことで、情報伝達の質とスピードが安定します。また、チャットワークやSlackなどのチャットツールを活用すれば、日常的なやり取りがスムーズになり、コミュニケーションの効率化にもつながります。

業務範囲の曖昧さ

経理アウトソーシングが失敗する背景には、業務範囲が曖昧なまま委託を進めてしまうという問題があります。どこまでを外部に任せ、どこからを自社で対応するのかが明確に定義されていないと、双方の認識が食い違い、「その作業は依頼されていない」「そちらで対応してもらえると思っていた」といった混乱が生じやすくなります。経理業務は細かく分岐するため、境界が曖昧なまま進めると抜け漏れや二重対応が発生し、結果としてトラブルや手戻りにつながります。アウトソーシングを円滑に機能させるには、作業項目の列挙だけでなく、誰が・いつ・どのように対応するのかを具体的に共有し、双方が同じ理解を持つことが欠かせません。

そのためには、業務範囲や役割分担を事前に丁寧に整理し、委託先と共有するプロセスが重要になります。たとえば、業務ごとに「誰が責任を持ち、誰が実行し、誰が確認し、誰に報告するのか」を明確にできる以下のようなRACI表を活用すると、認識のズレを防ぎやすくなります。また、契約前の段階で詳細なヒアリングを行い、実際の業務フローや社内ルールをすり合わせておくことで、委託後のトラブルを大幅に減らすことができます。こうした準備を怠らないことが、アウトソーシングを成功へ導く大きな鍵となります。

【RACI表の例】

業務内容

  • Responsible
    実行責任者

Accountable
最終責任
Consulted
相談相手
Informed
報告先
請求書の受領・整理 自社 自社 委託先 委託先
請求書の入力 委託先 委託先 自社 自社
支払データの作成 委託先 委託先 自社 自社
支払承認 自社 自社 委託先 委託先
支払実行 自社 自社 委託先 委託先
経費精算のチェック 委託先 委託先 自社 自社
経費精算の承認 自社 自社 委託先 委託先
仕訳入力 委託先 委託先 自社 自社
月次試算表の作成 委託先 委託先 自社 自社
月次決算のレビュー 自社 自社 委託先 委託先
年末調整資料の準備 自社 自社 委託先 委託先
税務申告書の作成 税理士 税理士 自社・委託先 自社

自社側の準備不足

必要な資料が整理されていなかったり、社内の業務フローが曖昧なままだと、アウトソーシング先は正確な判断ができず、業務を円滑に進めることが難しくなります。本来であれば外部委託によって効率化が期待できるはずが、追加資料の提出や確認作業が何度も発生し、かえって負担が増えてしまうケースも珍しくありません。

特に経理業務は、前提となる情報が正確かつ整理されていることが絶対条件です。自社側の準備が不十分な状態では、どれほど優れた委託先であっても本来のパフォーマンスを発揮しにくくなります。

  •  

外部委託先の品質・体制の問題

外部委託先の品質や体制に問題があるケースもあります。担当者のスキル不足やチェック体制の不備があると、品質が安定せず、ミスや対応遅延が起きやすくなります。経理業務は専門性が高く、正確さとスピードが求められるため、委託先の力量が不足していると、自社がどれだけ準備を整えても期待した成果は得られません。さらに、担当者の入れ替わりが多い体制では引き継ぎが不十分になり、品質のばらつきが生じます。

アウトソーシングを成功させるには、委託先のスキルや体制を事前に見極め、継続的に安定した品質を提供できるかを慎重に判断することが重要です。特に、税理士が監修する経理代行サービスは品質面で安心材料となります。

セキュリティ・情報管理の不備

経理アウトソーシングにおいて見過ごされがちな問題のひとつが、セキュリティや情報管理の不備です。経理は企業の機密情報を多く扱うため、データの取り扱いが適切でないと、情報漏えいや不正アクセスといった重大なリスクが生じます。委託先の管理体制が甘かったり、データ共有の方法が曖昧だったりすると、日常的なやり取りの中で思わぬ形で情報が外部に流出する可能性があります。また、担当者のセキュリティ意識が低い場合、パスワード管理やアクセス権限の設定が不十分になり、リスクはさらに高まります。経理アウトソーシングを安心して進めるためには、委託先がどのようなセキュリティ基準を設け、どのように情報を保護しているのかを事前に確認し、自社の基準と照らし合わせて判断することが欠かせません。さらに、クラウド会計を導入して紙ではなくオンライン上でデータを共有できる環境を整えることも、情報漏えいリスクの軽減につながります。

これらの原因を把握しておくことで、経理アウトソーシングの失敗を未然に防ぎ、より効果的な運用につなげることができます。

>関連コラムはこちら『自社で記帳するvs記帳代行を依頼する、どちらがお得か徹底比較

 

経理アウトソーシングを成功させる4つのポイント

  • 以下に経理アウトソーシングを成功させるポイントを紹介します。

「丸投げ」ではなく「協働」の姿勢

経理アウトソーシングを導入する際には、外部パートナーと協働する姿勢が重要になります。必要な情報を適切に共有し、定期的にコミュニケーションを取ることで、業務品質は安定しやすくなります。経理は企業の内部情報を扱う繊細な領域であるため、双方の理解と連携が欠かせません。アウトソーシングは単なる委託ではなく、業務を一緒に進化させる取り組みとして捉えることが、長期的な成果につながります。

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自社の業務フローを可視化しておく

経理業務は企業ごとにルールや慣習が異なるため、アウトソーシングを始める前に自社の業務フローを整理し、可視化しておくことが非常に重要になります。フローチャートの作成や担当範囲の明確化、必要資料の棚卸しなどを行うことで、外部パートナーは正確な業務設計ができ、移行期間の混乱を最小限に抑えられます。

また、可視化のプロセスは自社の業務を客観的に見直す機会にもなり、非効率なプロセスの発見や改善にもつながります。

KPI設定と定期的な振り返り

アウトソーシングは便利な反面、成果が見えにくくなるという課題があります。そのため、KPI(重要業績評価指標)を設定し、期待値を明確に共有することが欠かせません。月次決算の締め日、仕訳処理の正確性、問い合わせ対応のスピードなど、数値で評価できる指標を設けることで、双方が同じ基準で業務を確認できるようになります。

さらに、月次レビューや四半期ごとの振り返りを行うことで、改善点が明確になり、業務品質が継続的に向上します。

長期的なパートナーとしての関係構築

経理アウトソーシングは、単なる外注ではなく、企業の内部情報を扱う重要な業務を担うパートナーとの協働になります。そのため、短期的なコスト削減だけを目的にしてしまうと、外部パートナーは深い業務理解に至らず、どうしても表面的な対応にとどまってしまいます。
一方で、長期的な視点で関係を築こうとする企業は、外部パートナーの知見や提案力を最大限に活かすことができます。特に税理士が在籍している場合は、申告業務や顧問契約も併せて依頼できるため、経理と税務を一気通貫でサポートしてもらえる点が大きなメリットになります。こうした包括的な支援を受けられることで、企業はより精度の高い経営判断を行いやすくなります。

>関連コラムはこちら『今後、経理業務のDX化は当たり前になる!?デジタル活用のメリットを解説

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  • 【実例】経理アウトソーシングの失敗事例

    以下に、企業が経理アウトソーシング導入時に実際に起きた失敗事例と、それぞれに有効だった改善アドバイスを紹介します。

  •  C社:業務範囲の認識ズレによるトラブル

    ITベンチャーのC社では、経理アウトソーシングを導入したものの、依頼していた業務の一部が外部委託先の見積もり範囲外であることが後から判明しました。具体的には、売掛金管理、経費精算のチェック、取引先との請求内容の突合作業などが委託範囲に含まれておらず、必要な処理が進まない状況が発生しました。その結果、月次決算が大幅に遅延し、業務範囲に対する双方の認識が一致していなかったことがトラブルの直接的な原因となりました。

    C社へのアドバイス:C社の場合は、依頼前に具体的な作業内容と単価の明細を細かく詰めておくことが重要です。どの業務を委託し、どこから先が追加料金になるのかを明確にしておくことで、認識のズレを防ぎ、月次決算などの重要業務が滞るリスクを減らせます。

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  • E社:専門知識不足による処理ミス

    • SNSマーケティングを手掛けるD社では、経理アウトソーシングの担当者に会計知識が不足していたため、売上計上基準や前払・未払処理で誤仕訳が多発し、修正対応に時間を取られました。税務・会計基準の理解不足から決算整理仕訳の精度も低く、月次・四半期決算が大幅に遅延。経営陣が必要なタイミングで正確な数字を把握できず、意思決定に支障が出ました。

      D社へのアドバイス:委託先の担当者の専門性や実務経験を事前に確認し、複雑な会計処理に対応できる体制を持つかをチェックすることが重要です。特に税理士が在籍する経理代行会社を選べば、会計基準や税務判断の精度が高まり、誤仕訳や決算遅延のリスクを大幅に抑えられます。

    • G社:情報連携の不全によるミス

      デザイン会社のG社では、経理アウトソーシングを導入したものの、社内担当者との連絡体制が弱く、必要な資料がタイムリーに共有されない状況が続いていました。その結果、委託先との情報連携が滞り、月次処理が大幅に遅延。さらに、依頼内容の認識違いによる処理ミスも発生し、修正対応に余計な手間と時間がかかる事態となりました。情報の行き違いが積み重なり、経理業務全体のスピードと正確性が大きく損なわれてしまいました。

      G社へのアドバイス:G社の場合は、クラウド会計システムを導入し、リアルタイムで最新データを共有できる環境を整えることが効果的です。資料の受け渡しをメールや口頭に頼らず、クラウド上で一元管理することで、情報の抜け漏れや認識違いを防ぎ、月次処理のスピードと正確性を大幅に向上させられます。

    • >関連コラムはこちら『今後、経理業務のDX化は当たり前になる!?デジタル活用のメリットを解説

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まとめ

経理アウトソーシングは、導入すれば自動的に業務が改善されるわけではなく、適切な準備と運用が欠かせません。特に、失敗事例から学ぶ姿勢は非常に重要で、どの企業にも起こり得る課題を事前に把握しておくことで、同じつまずきを避けることができます。業務範囲やルールを明確にし、双方が継続的に情報を共有することで、アウトソーシングの効果を最大限に引き出すことができます。
そして何より大切なのは、適切な専門性を持った信頼できるパートナーを選ぶことです。経理は企業の根幹を支える領域であり、外部に委ねる以上、専門性だけでなく誠実さや対応力も求められます。自社の課題や目標を理解し、長期的に伴走してくれるパートナーを見極めることが、アウトソーシング成功の鍵になります。

 

Q&A

経理アウトソーシングに関して寄せられることの多い質問を、分かりやすくまとめました。

Q1. 経理アウトソーシング先を見極めるポイントは?

A:経理アウトソーシングを見極めるには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、創業直後の企業は業務フローが未整備で、廃業リスクも高いため、安定したサービスを受けにくい可能性があります。次に、クラウド会計を導入しているかどうかも判断材料となります。クラウド環境が整っていれば、データ共有や連携がスムーズに行え、アウトソーシングとの相性が良くなります。
さらに、税理士が監修しているサービスであれば、経理処理の正確性や申告業務の信頼性が高まり、安心して任せることができます。これらの観点から、自社に最適なアウトソーシング先を見極めることが大切です。

Q2:経理アウトソーシングを利用するメリットは?

A.経理アウトソーシングを利用する最大のメリットは、コスト削減と経理品質の向上、そして業務効率化を同時に実現できる点にあります。専門家が担当することでミスや属人化のリスクが減り、法改正や会計基準の変更にも適切に対応できます。また、クラウド会計や自動化ツールの活用により経理フローが整理され、社内のムダが大幅に削減されます。さらに、経営者や管理部門が日々の経理作業から解放され、本業や戦略業務に集中できるようになることも大きな利点です。最新の会計・税務知識を継続的に取り入れられるほか、セキュリティや内部統制の強化にもつながり、企業全体の経営基盤を安定させる効果が期待できます。

>関連コラムはこちら『【基礎理解】そもそも税理士に相談できることは?

Q3:経理アウトソーシングに依頼できる内容は?

A.経理アウトソーシングでは、仕訳入力、請求書発行、支払管理、経費精算、給与計算、月次決算の補助など、日常的な経理業務を幅広く依頼できます。業務フローの整理やクラウド会計の導入支援など、効率化に関わるサポートを行うサービスもあります。ただし、税理士が在籍していない場合は、決算書作成や税務申告といった税理士法上の独占業務は依頼できません。

>関連コラムはこちら『給与計算アウトソーシングのメリット・デメリットを徹底解説します

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  • クラウド会計に強い税理士にご依頼ください

日本橋経理代行は、母体となる税理士事務所サイバークルー株式会社であるため、日々の経理業務の代行から決算申告まで幅広く承っています。さらに、弊社へのご依頼をきっかけに、近年広まっているクラウド会計を導入された企業様の実績も多数ございます。「自社に最適な節税対策を知りたい。」「経理業務の効率化を図りたい…。」「クラウドを導入したいがどうしたら良いかわからない…。」といった経営者の方のご要望にお応えいたします!税理士と経理代行のご契約は別の契約となりますので、既に他の税理士さんとご契約いただいている場合でも、経理代行サービスのみのご利用も可能です。
まずは中央区日本橋経理代行サービス無料相談をご活用ください。こちらよりサービス内容の詳細と料金表もご確認いただけます。

この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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