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2024.03.27

【初級編】バックオフィス業務とは？税理士がわかりやすく解説

☑最近、起業して自分で事務作業もするようになった。

☑最近、バックオフィス業務を担当するようになった。

☑バックオフィス業務の効率化が図れず手間取っている。

最近起業された方、もしくは個人事業主になられた方の中には「バックオフィス業務を初めて自分でするようになった。」「請求書や領収書の発行や管理に手間がかかっている。」というような状況から本業に集中できないという方も多いのではないでしょうか？
もしくは、初めて経理などのバックオフィス業務を担当するようになり、効率が悪く悩んでいるという方もいるかもしれません。
今回は、そのような方に向けて、バックオフィス業務にはそもそもどのようなものがあるのか、またどのようにすれば効率化が図れるのかを解説します。

バックオフィス業務とは？

ビジネスの世界でカタカナが使われる際、『サラリーマン』『ノートパソコン』『コストダウン』などの和製英語が多くありますが、『バックオフィス』は英語が語源です。企業内で顧客と対面しない管理部門やサポート部門を示す“back-office”からきています。
主なバックオフィス業務には以下があります。

【主なバックオフィス業務】

このように、バックオフィス業務は、企業活動の根幹をなす「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営と密接に関係しており、企業の円滑な運営に不可欠です。
その一方で、バックオフィス業務では社内の従業員や外注先とコミュニケーションをとることがあっても直接的な顧客との関わり合いはありません。このように、直接的には利益を生まないため、できる限り効率化を図ることが重要です。

バックオフィス業務とフロントオフィス業務の関係とは

バックオフィス業務に対して、対義語となるのがフロントオフィス業務“front-office”です。フロントオフィス業務とは、営業、コールセンターなど新規顧客の獲得と既存顧客へのサービス提供し、直接コミュニケーションをとるといった利益に直結する業務を担います。
フロントオフィス業務の取引を進めるためにバックオフィス業務は不可欠です。逆にフロントオフィス業務の取引が無ければバックオフィス業務は発生しません。
このように企業において重要な2輪となっている両者ですが、バックオフィス業務は直接利益を生まないため、多くの企業において、人材採用・育成などのリソースや効率化への取り組みが後回しにされてしまっているという状況があります。
特に、中小企業の場合、人員不足で営業担当などフロントオフィス業務をメインとする社員が、バックオフィス業務を兼任しているというケースも少なくありません。さらにスタートアップ企業は予算がなく、人を育てるノウハウがない場合も多く経営者自らがバックオフィス業務をこなしているということも少なからずあります。
このような兼任状況では、短期的にはコストを節約できているように思えても、長期的にはフロントオフィス業務へのコミットに限界が来て、利益率が下がりキャッシュフローが滞ってしまうということにも成りかねません。最悪の場合、フロントオフィス業務を得意とする人材が、苦手とするバックオフィス業務も併せて行うことで疲弊してしまう、退職してしまうということもあり得ます。
そこでバックオフィス業務において重要なことは、効率化を図ることにコミットすることです。

バックオフィス業務効率化のポイントはDX化

バックオフィス業務のDX化（デジタルトランスフォーメーション）とは、最新のデジタル技術、テクノロジーを活用して効率化、コスト削減など新たな価値創出を推進することを言います。
バックオフィス業務をDX化することにより、以下のようなメリットがあります。

【バックオフィス業務効率化による5つのメリット】
1.バックオフィス業務の人為的なミスが削減され精度が上がる
2.人的リソースを有効活用できる
3.人件費を節約できる
4.テレワーク導入など多様な働き方に対応できる
5.社員のモチベーションを向上でき人材確保につながる

バックオフィス業務DX化の３つの方法

それでは、どのようにすればバックオフィス業務をDX化することができるのでしょうか？以下に3つ紹介致します。

1.ペーパーレス化
ペーパーレス化とは、紙での書類管理をなくし、データ管理することです。そんな単純なことかと思われるかもしれませんが、ペーパーレス化は目に見えるメリットが大きいです。例えば、紙書類を保管するスペースが不要になり、印刷費、紙、ファイル代、ファイリングをする時間と人件費などが節約できます。 ペーパーレス化は、DX化の一歩として取り組みやすい施策です。また、資料がデータ化されることで一元管理が可能になります。
データ管理により、書類を検索しやすくなり、業務効率を向上することができます。

2.RPAの活用
RPAとは「Robotic Process Automation」の略語です。パソコンで行っている事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術を言います。

RPAはパソコン上で従業員が日常的に行っている定型業務をマウス操作やキーボード入力などの作業手順を記録し、それを高速で正確に実行してくれます。その結果、人的ミスを削減でき、既存の事務的業務を効率化させ、生産性を向上することができます。

３.クラウドの導入
クラウドとは、ユーザーがサーバー、ストレージ、ソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用できるサービスです。
インターネット環境さえあれば、ブラウザからIDとPWを使ってログインし、情報の閲覧・入力・共有ができるので、デバイスや場所を選ばずに業務をすることが可能になります。

上記の3つの方法で、直ぐに始められることとして、特にお勧めなのが、ペーパーレス化とクラウド利用を取り組むことです。特に経理業務が紙でのデータ管理が中心となっている状況にある場合は、DX化を進めることで生産性が大幅に向上します。更にリモートワークをしやすくなり、人材の確保にもつながります。
正確に大量の業務を遂行することが求められるバックオフィス業務において効率化を図ることは、企業全体の生産性の向上にもつながります。これを機に、ペーパーレス化とクラウドの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を担当した税理士

サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)

保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。

専門分野税理士、行政書士、MBA

経歴経理体制構築、経営計画サポート

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