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コラム

2019.08.26
従業員の給料だけじゃない!源泉徴収が必要な対象者や範囲とは?

皆さんが何気に支払っている『源泉所得税』ですが、そもそもどういうものなのか、正確に理解している人は意外と少ないかと思います。

今回は源泉所得税について解説したいと思います。

源泉所得税とは?

源泉徴収とは、年間の所得にかかる税金(所得税)を会社側が従業員の代わりに源泉徴収し、税務署に収める所得税のことを言います。

法人化している企業は、雇用している従業員の所得に応じた税率の源泉所得税を徴収し、税務署に納めるところまで行わなければいけません。

つまり、従業員の給与を支払う事業者は、必ず源泉徴収を行わなければなりません。

源泉徴収を行うことのメリット

大きく分けて、従業員と国にとってそれぞれメリットがあります。

1.従業員にとってのメリット:事業者が源泉徴収を行うことで、従業員は確定申告をする手間が省けます。

また、毎月の給与から少しずつ所得税を納めることができるので、納税できないというような状況を防ぐことができます。

2.国にとってのメリット:毎月、確実に所得税を徴収できるので、安定的な税収を得られます。

源泉徴収税の徴収から納税までの流れ

会社を設立し、従業員を雇用すると、まず『給与支払事務所等の開設届出書』を税務署に提出します。

これは、従業員の給与やボーナス、退職金などの所得から源泉徴収を行うという証です。

そして、この届出書を出さずに勝手に源泉徴収を行うことはできません。

次に会社はすべての従業員から『扶養控除等申告書』を提出してもらいます。

所得税は所得の税額はもちろん、扶養している家族の人数によっても税率が変わってきます。

当然、扶養している家族の人数が多ければ多いほど、税率は低くなります。

また、扶養控除が適用になる従業員と適用にならない従業員とでも税額が異なってくるので、扶養控除等申告書は、会社側が従業員の扶養人数を把握するために必要なもので、変更がなくても毎年提出してもらいます。

源泉所得税は、まず従業員の残業代や各種手当てなどを計算し、そこから社会保険料を差し引いた金額をベースに、税額表と照らし合わせて求めることができます。

税額表は毎年変更されるので、その都度、チェックしておかなければいけません。

また、2037年12月31日までの所得には、所得税に加えて、東日本大震災からの復興のための『復興特別所得税』が加算されます。

復興特別所得税は、基準所得税額×2.1%で求めることができます。

こうして各従業員の源泉所得税を計算したうえで、原則として給与支払月の翌月10日までに納税をしなければいけません。

この日程は、給与の支払いが10日でも月末でも変わりません。

ちなみに、上記は給与における源泉所得税の求め方で、ボーナスや退職金はそれぞれ計算方法が異なるので注意してください。

源泉徴収税の支払い方法

支払い方法は、納付書を持参し、税務署や銀行・郵便局等の窓口で処理する方法と、振替口座から引き落としてもらう方法、さらにネットバンキングを使った方法などがあります。

これらの源泉所得税は、ほかの税金と同様に、毎月支払わなければならず、申告しないと延滞税が発生するなどのペナルティーが課せられるので注意しましょう。

ただ、源泉徴収の対象者が10人未満の会社であれば、届出を提出することで、源泉所得税の6カ月分をまとめて納税できる『納期の特例』を利用することができます。

外部の業者が源泉徴収の対象になる場合

源泉所得税は自社の従業員だけではなく、外部の業者に対して徴収して代わりに納税しなければならない場合もあります。

ある仕事を外部業者に発注した場合、その業者が法人であれば源泉所得税の徴収は不要ですが、個人であれば、源泉所得税徴収の必要が出てきます。

国税庁では、源泉徴収が必要な報酬・料金などの範囲を定めており、それによれば、個人の『原稿料』や『講演料』、弁護士や公認会計士、司法書士などへの『報酬』や『料金』、さらにプロスポーツ選手や芸能人、モデルなどに支払う『報酬』や『契約金』、広告宣伝のための『賞金』などが対象になります。

ただし、コンクールや懸賞応募作品など入選者に支払う賞金等については、1人に1回で支払う金額が5万円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。

外部業者に支払う金額から源泉徴収を行う場合の注意点

『謝礼』や『研究費』、『車代』などの名目であっても実態が『報酬』や『料金』であれば、源泉徴収の対象になりますし、金品ではなく物品で支払ったとしても、『報酬』や『料金』とみなされます。

さらに、報酬や料金として支払った金額の全部、原則として、消費税を含んだ額が源泉徴収の対象になります。

ただし、弁護士や税理士などからの請求書等に報酬・料金等の金額と消費税等の金額とが明確に区分されている場合には、消費税等の額を除いた報酬・料金等の金額のみを源泉徴収の対象としても差し支えありません。

源泉徴収の範囲は従業員だけでなく、場合によっては外部の業者にも及びます。

源泉徴収の対象となる範囲を理解し、正しく徴収したうえで、納税を行うようにしましょう。

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この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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