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コラム

2019.06.07
申告税額を間違えたときの対処法とは

申告税額を間違えたときの対処法とは

申告税額を払い過ぎたときは更正の請求ができる

個人事業主として確定申告をして納税額のお知らせが届いた際に、税金が高すぎると感じたことはありませんか?

過大な税額で申告を行い、申告期限後にそのことに気づいた場合、申告書に記載された税額の減額を求める『更正の請求』で提出し直すことができます。

今回は、納めた税金が戻ってくる可能性もある、この手続きについてご紹介します。

『更正の請求』は、申告期限後、申告書に記載された税額の減額を求める手続きです。

税額の減額申請ができるケースは、次の(1)~(3)のいずれかに該当する場合となります。

(1)申告書に記載された税額が過大だった

(2)申告書に記載した還付税額が過少だった

(3)申告書に記載した純損失した雑損失の中で、翌年以後の年分に繰越控除し、もしくは前年分の計算の基礎とできる金額が過少だった

たとえば、申告額を多く書きすぎてしまったのであれば、(1)の申告書に記載された税額が過大だった場合に該当するため、更正の請求ができます。

更正の請求は、2011年12月1日までは1年前までしか遡れませんでしたが、2011年の税制改正によって、平成23年分(2011年分)の申告からは、法定申告期限から5年以内まで遡れるようになりました。

2011年12月1日以前に申告期限を迎えたものも、減額更正できる期間に更正申告書を提出すれば、調査を経て減額更正を行う経過措置があります。

国税庁の更生申告書に必要事項を記入し、請求の理由の基礎となる事実を記載した書類と合わせて提出します。

提出先は請求者の住まいや会社がある地域を管轄している国税局で、提出方法は管轄の国税局への直接提出か郵送、または電子申告から選択することができます。

ちなみに、確定申告を行った後、納めた税額が少ないことに気がついた際も、修正申告を行います。

このとき、過少申告加算税がかかるケースもあります。

請求前に確定した税額の徴収は、原則として猶予されない

更正の請求を行うと、税務署はその請求にかかる税額の内容などを検討して、減額更正をするか、もしくは更正すべき理由がない旨を請求者に通知します。

請求を行ったからといって、必ずしも減額更正が認められるわけではありません。

ここで、特に注意しなければいけない点があります。

更正の請求を行っても、その請求前に確定した税額の納付義務は課せられたままの状態で、徴収は原則として猶予されません。

「更正の請求が認められるはず」と思い込んで確定した税額を納めないと、滞納処分を受ける可能性があるので、注意が必要です。

また、税務署から確認の電話が入ることもあり、その場合はほとんどのケースで追加の資料を求められます。

変動所得・臨時所得の平均課税の計算書や、申出書の申出額を計算するに当たり使用した計算明細書等を提出し、税務署に確認してもらいます。

このとき、資料の信憑性に疑いがあったり、見解の相違がある部分について請求したりすると、税務調査に発展する可能性があるので、注意しましょう。

なお、検討の結果“更正の理由なし”との処分が下された場合、不服があれば、国税不服審判所への審査請求等が行えます。

更正の請求は、納税者に与えられた大切な権利の一つです。

申告税額を払い過ぎたときには、すぐに更正の請求を行いましょう。

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この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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