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コラム

2018.03.14
節税効果のある“出張費規程”を導入するには?

“出張費精算規程”を導入するメリットとは?

出張をする度に交通費、宿泊費、接待費などさまざまな経費がかかり、それを細かく経費精算するのは面倒なことです。

その解決策として“出張旅費規程”の導入があります。また導入することにより節税効果も期待できます。 今回は、“出張旅費規程”について伝授したいと思います。

“出張旅費規程”とは?

“出張旅費規程”とは、法律上のルールは特にないので、会社ごとに日当の額や規定内容を決められます。それによって会社と社員の双方にとってメリットがあります。

①会社にとってのメリット

出張旅費規程に基づき支給した日当は、会社の経費として計上できるので節税のメリットがある。

②社員にとってのメリット

社員が受給した出張旅費は所得税の課税対象とならない。

“出張旅費規程”の作成手順とは?

社員の間で不公平感が出ないようルールを決めておくことが重要です。

①目的を定義する

出張旅費規定作成をする場合は、会社として就業規則を就業規則に出張旅費規定の目的やルールを定義しておくことが大切です。 例えば『就業規則〇条に基づき』や『この規程は、役員および従業員が業務命令により出張する場合の手続きおよび旅費に関して定めたものである』という記載をしておくことです。

②範囲を定める

出張旅費規定は全社員を対象とします。福利厚生費と同じように役員のみを対象とすることはできません。パートなど正社員以外の人が出張する可能性がある場合は、そのように記載しておく必要があります。

③“出張”の定義を明確にする

一般的には、移動距離によって出張を判断しますが、これについても法律上、特に基準があるわけではありません。ですので、例えば、“100km以内は“近出張”それ以外は”遠出張”など、距離によって定めるとよいでしょう。

④“旅費”の対象を定める

出張旅費規程作成のためには、費用項目を設定しなければなりません。旅費には、『交通費』『日当』『宿泊費』『食事代』などが該当します。

A:『交通費』について

交通費は実費支給となります。主な交通機関は「鉄道」「船舶」「航空機」の3つがですが、「バス」「タクシー」の項目も必要に応じて作成します。また“新幹線の指定席・グリーン車の利用基準”など役職や距離に応じて基準が異なるものは、あらかじめ明確な基準を規定をしておきましょう。

B:『宿泊費』について

宿泊費も実費精算ですが、例えば、一泊「役員10,000円」「一般社員8,000円」など役職などに応じて上限を決めておくと良いでしょう。

C:日当の区割り

日当についても明確な基準がありません。日当は、出張にともなうクリーニング代など経費に計上できない個人の出費を補填する意味合いがあります。

⑤出張旅費精算書を作成する

“出張旅費規定”を策定しても、自由に経費を計上できるわけではありません。所定の“出張旅費精算書”を作成し、役員や従業員が実際に出張した際には、その都度これを記入・提出してもらう必要があります。

出張旅費精算の書式や項目に決まりはありませんが、一般的には『日時・場所・出張先や担当者・用件』などを記載します。

また領収書を保管しておくことが必要です。出張旅費規程に『出張が終了した際には、営業日5日以内に出張旅費計算書を作成し、領収書とともに提出しなければならない』などと規定し、速やかに会計処理ができるように努めましょう。

まとめ

出張旅費規程は、出張が多い会社ほどメリットが大きくなりますので、まだ決めてない場合は、是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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