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コラム

2018.01.07
税抜経理か税込経理かによって節税が変わる!?どちらが得か?、、、を検証

税抜経理と税込経理の違い

消費税の課税事業者となった場合、「預かった消費税」と「支払った消費税」を記帳しなければなりません。この記帳方法には、「税抜経理」と「税込経理」の2種類があります。処理する場合、以下のような違いが生じます。

[税抜経理] ・商品を108,000(うち消費税8,000円)で販売した場合
(借方)現金 108,000   (貸方)売上 100,000

・交通費として20,000円(税込)支払った場合
(借方)旅費交通費 18,519 (貸方)現金 20,000
仮払消費税  1,481

[税込経理] ・商品を108,000(うち消費税8,000円)で販売した場合
(借方)現金 108,000 (貸方)売上 108,000

・交通費として20,000円(税込)支払った場合
(借方)旅費交通費 20,000 (貸方)現金 20,000

上記のように、税抜経理では、預かった消費税を「借受消費税」、支払った消費税を「仮払消費税」として計算する必要があります。一方、税込経理では区分する必要がありません。
ですので、事務手続きの面では、税抜経理のほうが楽に記帳できます。

交際費課税には、どちらが得か?

資本金1億円以下の中小法人では、年間800万円までが経費として認められ、それを超える部分は、損金として算入されません。ですので税抜処理か税込処理のいずれかを選ぶことによって交際費として算入できる金額に差が出てきます。

例えば、年間交際費を1,080万円(税込)とした場合以下のような違いがでます。

[税込経理] ・1,080万円‐800万円=280万円

[税抜経理] ・1,000万円‐800万円=200万円

上記のように、同じ金額の交際費を使っても、税抜経理のほうが80万円経費から引かれる金額が少なく有利となります。

資産購入には、どちらが得か?

資産を購入した場合、それを経費とするか資産とするかは、金額により異なります。例えば10万円(税込)のパソコンを購入した場合、10万円以上の金額は資産計上することになっていますので以下のような違いが出てきます。

[税込経理] ・10万円以上⇒資産として計上しなければならない

[税抜経理] ⇒10万円以下(税抜:92,592円)⇒経費として計上できる

従ってこの場合も、節税対策的に、税抜経理の方が有利になります。

どちらを選択すべきか?

年間の売上が1,000万円以下で、消費税の納税義務が免除されている免税事業者は、税込経理での会計処理が必須となります。

もし、売上が1,000万円以上で税込経理、税抜経理の選択ができ、節税してビジネスを成長させたいと考えているのであれば、上記のメリットから税抜経理を採用したほうがいいでしょう。

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この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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