【士業】経理業務の増加に伴い、経理の効率化を継続アドバイ…
☑経理業務のDX化を図りたいが何から手をつけて良いか分からない。
☑電子帳簿保存法改正を機にバックオフィスの効率化を図りたい。
☑経理業務デジタル化のメリットを知りたい。
現在国を挙げて推しすすめられている企業のDX化ですが、経理業務は紙ベースでの書類管理が中心になっているということもあり、DX化は難しいと言われています。
その障壁を取り除くのではないかと期待されているのが2022年1月に施行される経理業務の電子帳簿保存法の改正です。今回のコラムでは、電子帳簿保存法の変遷を振り返りながら、経理業務におけるDX化と2022年1月から施行される電子帳簿保存法改正の4つのポイントと注意点を解説致します。
目次
電子帳簿保存法は、1998年に施行された法律で、正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言います。各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について一定の要件を満たせば、電子データによる保存を認めることを定めた法律で、事務処理負担の軽減を目指しています。
まずは、簡単にその変遷を振り返ってみたいと思います。
施行年 | 改正 | 主な内容 |
---|---|---|
1998年 |
電子帳簿保存法施行 |
パソコン作成の決算書電子データのみ認められる。 |
2005年 |
e-文書法施行 |
複合機などによるスキャナで読み取った電子データ記録の保存が認定される。(ただし電子署名が要求されるなど厳しい要件つき) |
2015年 |
平成27年度税制改正 |
3万円以上の上限額の規制、電子署名の要件が廃止される。 適正事務処理要件の追加。(相互チェックのため、2名による定期検査が必要) |
2016年 |
平成28年度税制改正 |
スマートフォン・デジタルカメラ撮影のデータ保存が認められる。 |
2018年 |
平成30年度税制改正 |
大法人(資本金1億円超)の電子申告義務化。 |
2020年 |
令和2年度税制改正 |
キャッシュレス決算において紙の領収書でなく電子の取引明細でも保存可能となる。 |
このように、電子帳簿保存法は、パソコンやスマートフォンなど、デジタルデバイスの進化と普及と共に複数回に渡って改正されています。
上記のように、政府は20年以上に渡って、経理業務におけるDX化、デジタル化により効率の向上を推進しています。しかしながら、令和元年(2020年)の国税庁による税務統計によると、電子帳簿保存は約27万件の承認しかありません。日本の企業数が約386万と言われているので、約7%の企業しか承認されていないということになります。紙の書類よりも電子データの方が、スペースを取らず、コストもかからないにも関わらず、なぜ経理業務のDX化を踏みとどまる企業が大半を占めているのでしょうか。
それには、DX化へのハードルが高かったことが挙げられます。特に大きな障害となっていたのが「税務署による事前承認が必要」、「申請書類作成の手間がかかる」、「承認されるまでに時間がかかる」ということの3つです。例えば、電子データでの保存は運用開始の3ヶ月前までに所轄の税務署で手続きを行う必要がありました。更に、国税関係帳簿書類に係る電子計算機処理に関する事務手続の概要を明らかにした書類、および電磁的記録の備付けおよび保存に関する事務手続きを明らかにした書類を作成し提出することが必要でした。しかも、申請書の提出からの3ヶ月間、承認が得られるまで待機しなければならず、場合によっては修正などが求められるということもありました。そのような手間から、デジタル化を踏みとどまる企業が多かったということが考えられます。
コロナ禍において、リモートワークが主流となり、経理業務において、DX化を急速に推進する必要性が出てきました。
今回の電子帳簿保存法の改正の区分には、以下の3つの分野があります。
①電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)
②スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データで保存)
③電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)
(国税庁HPより)
2022年1月に改正され施行される電子帳簿保存法ですが、改正の主なポイントは以下の4つです。
内容 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
1.税務署長の承認
|
・電子的に作成した国税関係帳簿を電磁的記録により保存する場合には、事前に税務署長の承認が必要。(区分①) |
・事前承認は不要となる。(区分①) |
2.タイムスタンプ要件 |
・国税関係書類をスキャナ読み取りした際に、受領者が自署。(区分②) ・3営業日以内のタイムスタンプ付与が不可欠。(区分②、➂) |
・スキャナ読み取りの際、受領者の署名が不要になる。(区分②) ・タイムスタンプの付与期間最長2ヶ月以内と大幅に延長される。(区分②、➂) |
3.適正事務要件(定期検査、相互けん制)の廃止 |
・適正事務処理要件への対応が必須。 ・定期検査の実施。それにより原本とデータの突合作業を行うため、検査実施日まで原本の破棄ができない。 ・相互けん制への対応が必須。それにより、事務処理担当者を相互チェックするため、2名以上での対応が必要。(区分②) |
・社内規程整備を行う適正事務処理要件(定期検査、相互けん制)の廃止。 ・定期検査まで保存が必要だった原本は、スキャナ後にすぐに破棄が可能になる。 ・相互けん制の廃止。それにより、事務処理担当者は、2名ではなく、1名での対応で可となる。(区分②) |
4.検索要件の緩和 |
・取引年月日、勘定科目、取引金額やその帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索条件として設定できることが必須。 ・日付や金額に係る記録項目に関しては、その範囲を指定して条件を設定することが求められた。また、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することも要件に含まれていた。 →詳細な検索機能をもったシステムが必要。(区分②、区分3) |
・検索要件の記録項目について、「年月日」「金額」「取引先」の3つだけに簡略化される。 ・税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じる場合には、範囲指定及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能の確保が不要になる。 ・売上1,000万円以下の事業者は検索要件は不要になる。(区分②、区分3) |
上記のように、以前は、電子帳簿化にあたり、内部統制の一環として社内規程、体制、システム等を整備する必要がありました。今回、電子帳簿化導入へのハードルが大幅に軽減されることで、経理業務におけるDX化が進み、効率が向上することが期待されています。
2022年1月に改正され施行される電子帳簿保存法では、導入がしやすい要件となる代わりに不正抑止として、重加算税の加重措置が課されるようになります。区分②スキャナ保存、区分➂電子取引で記録された事項に関して隠蔽し、または仮装された事実があった場合には、その事実に関し生じた申告漏れ等に課される重加算税が 10%加重される措置が整備されたので注意が必要です。
「法改正への対応」というと、面倒な印象を受けるかもしれません。しかしながら、今回、2022年1月に施行される電子帳簿保存法改正では、経理業務DX化のハードルを軽減し、デジタル化による効率の向上が期待できそうです。
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