【士業】経理業務の増加に伴い、経理の効率化を継続アドバイ…
☑雑務に追われて本業に集中する時間が取れない。
☑バックオフィス業務専任者を採用する余裕がない。
☑バックオフィスの効率化をしたいが何から始めてよいかわからない。
労働人口の減少による人手不足、人権費の高騰で悩んでいる経営者の方も多いかと思います。そのような中、生産性を上げて業務を効率化することが求められています。業務効率化を図りやすいのが、ルーチンワークの多いバックオフィス業務です。今回のコラムはどのようにすればバックオフィス業務を効率化し生産性を向上することができるかご紹介します。
目次
そもそも、『バックオフィス』とはどのような業務を指すのでしょうか。バックオフィス業務は企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどの企業運営を担う重要な業務ですが、業務自体は直接的に利益を生みません。バックオフィス業務では社内の従業員や外注先とコミュニケーションをとることがあっても直接的な顧客との関わり合いはありません。
それに対して『フロントオフィス』は、顧客とコミュニケーションをとる機会があり、利益に直結する業務を指します。そのため、フロントオフィスは、企業の「顔」とも言われています。
更に『ミドルオフィス』はフロントオフィスがより高い成果を生むためのサポートをする業務のことを指します。
バックオフィス |
ミドルオフィス |
フロントオフィス |
・人事 ・経理 ・財務 ・総務 ・庶務 ・営業事務 など |
・法務 ・情報技術(IT) ・リスクマネジメント など |
・営業 ・カスタマーサポート ・コールセンター ・受付 ・マーケティング など |
上記の通り、『バックオフィス』には多様な部門がありますが、その全てが事業の円滑な運営に欠かせない業務です。『バックオフィス』は、そのような重要な業務である一方、直接利益を生まなないため、生産性向上・効率化への施策が後回しになっている企業が多くあります。
バックオフィスには、業務効率化の障壁となるいくつかの課題があります。ここでは、典型的なものを以下に4ご紹介します。
⓵属人化しやすい
経理など専門的な知識が必要な部門では、スキルを有した特定のスタッフにだけ業務が集中し、属人化しやすい傾向にあります。一部の担当者だけがノウハウと手順を把握していると「Aさんが休む・退職すると仕事が止まる」という状況になってしまい、フロント業務に悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。
⓶アナログ業務が多い
多くの企業において、バックオフィス業務はフロントオフィス業務に比べて、デジタル化が大幅に遅れている傾向があります。例えば、稟議承認に印鑑を必要としている、請求書や領収書などを全て紙でファイリングして管理をしているという企業も少なくありません。紙ベースでの書類が多い場合のデメリットとして、書類を作成・管理する手間とコストがかかる、複数人で同時に作業することができない、稟議承認に時間がかかるといったことがあります。更に、アナログ業務が多いと、オフィスに出勤して業務を行う必要性が高まるため、働き方が制限されてしまうことも効率化を図る際の妨げとなります。
⓷人材不足に陥りやすい
バックオフィス業務は直接的には売上を生み出さないため、多くの企業において、人材や採用に関する予算の割り当てが低くなりがちです。更に、バックオフィス業務の多くに、専門的な知識やノウハウが求められるため、他部署の人材や、新入社員を割り当てることが難しいそのため人手不足に陥りやすい傾向があります。
⓸業務量が多い
バックオフィス業務は多岐に渡り、業務量が多い上、給与計算、経費処理などミスが許されない作業も多くあります。特にマンパワーが不足している中小企業においては、フロントオフィス業務の担当者がバックオフィス業務も兼任しているというケースも珍しくなく、本業に注力できないというケースも珍しくありません。
このように、バックオフィス業務には効率化を阻む多くの障壁があるため「バックオフィス業務効率化の必要性を感じているけれども、何から手をつけたら良いかわからない・・・」というお悩みを抱える経営者様も多くいらっしゃいます。そこで、バックオフィス業務効率化のための3つのステップをご紹介します。
業務フローに沿って、どのような業務があるのか、洗い出しをします。その際に、業務全体を可視化するために、以下のような項目をまとめることをお勧めします。
【項目例】
・業務内容
・業務にかかる時間
・現在使用しているツール
・データの保存方法(紙ベース、データファイル、システムなど)
・業務が発生する頻度(毎日、週1、月1、不定期など)
バックオフィス業務の全体像を把握することができたら、次に、その中から、どのタスクを効率化することができ、また改善することによるインパクトが大きいかを分析し、解決策を検討します。効率化のプライオリティが高いのは以下のような業務になります。
⓵ペーパーレス化
現状、紙の書類を中心として管理をしているバックオフィスオフィス業務がある場合、データでの管理に移行することで、紙や印刷、ファイリングなど今までかかっていた時間とコストを大幅に削減することができます。過去の紙書類も、スキャンしてデータ化することで、保管に要していたスペースを空けることができます。過去の紙書類が大量にある場合は、スキャン代行サービスを利用することをお勧めします。
⓶クラウド化
インストール型のソフトを使っている場合、特定のパソコンでしか作業ができないというデメリットがあります。チャットツールを使って社内のコミュニケーションを行う、経理業務をクラウド会計に変えることでインターネット環境さえあれば、IDとPWでログインでき、パソコン以外にもタブレット、スマートフォンといったデジタル端末からもログインでき作業をすることができます。
⓷アウトソーシング化
バックオフィス業務の中でもルーチン化されていて、業務量が多い作業はアウトソーシングしやすいです。アウトソーシングによりバックオフィス業務の属人化を改善することもできます。
どのバックオフィス業務を効率化するか決定したら、施策実施のスケジュールを立てます。導入時期が繁忙期と重なると、反発が起こったり、新たな業務フローが定着しない危険性があるので、現場の担当者に十分な説明をした上で、意見を聞きながらスケジュールを立てることが重要です。また実行後は、新たな業務フローが機能しているか、期待していた効率化が図れているかなど、定期的にモニタリングをし、改善点がないかなどチェックをしましょう。
様々なバックオフィス業務がある中、多くの企業において、効率化のインパクトが最も大きいのは、以下3つの理由から経理業務だと言われています。
経理業務は領収書や請求書など紙で書類を管理する伝統が根強くあり、そのことがリモートワークの妨げになるなど効率化の大きな妨げとなっていました。
ですが、2020年そして2022年に行われた「電子帳簿保存法」の法改正により、事前の承認なしで決算関係書類や請求書など取引関係書類を電子保存できるようになったため、デジタル化による効率化を図りやすくなりました。
従来の会計ソフトはパソコンにインストールする「オンプレミス型」が主流でした。ソフトをインストールしたパソコンでしか作業ができないため、複数名で同時に作業をすることが困難でした。それに対して、クラウド会計は、インターネット環境のある場所であれば、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、多様なデジタル端末からアクセスできるため、社内のメンバーだけでなく、社外の顧問税理士とも最新の情報を共有できます。更に、随時最新のデータがサーバー上にデータが保存されるため、社内でバックアップを取る必要もないため、日々の業務効率化だけでなく、データ管理の手間も省けます。
>関連記事はこちら「【税理士事務所が解説】最近よく聞くクラウド会計とは?メリット・デメリットを解説」
アウトソーシングとは、企業の業務の一部もしくはすべてを外部の企業に委託するサービスのことを言います。経理業務は、業務量が多い上、ルーティン化されていることからアウトソーシングしやすいと言われています。経理業務は、経理代行会社にアウトソーシングすることができます。経理の専門性を持つ人材のプロ集団である経理代行サービスに依頼できるため、業務の効率化につながるだけでなく、属人化を解消することができます。
>関連記事はこちら「【経理代行会社が教える】バックオフィス業務でアウトソーシングすべきものは?」
ミスなく正確に大量の業務を遂行することが求められるバックオフィス業務において効率化を図ることは、企業全体の生産性の向上にもつながります。
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