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コラム

2026.06.25
クラウド会計の導入で経理人材不足の問題を解消するには

ミスや確認作業が多く、月次が遅れがちになっている。 

経理の専任担当者がいなく、業務負担が増えている。

クラウド会計を導入したいが、どこから始めればよいか分からない。

日本企業では経理人材不足が深刻化しています。人口減少により採用が難しくなり、経験者の確保も年々困難になっています。さらに経理業務は担当者に依存しやすく、属人化が進むほど引き継ぎが難しくなり、組織リスクが高まっています。

紙やExcelに依存した手作業中心のワークフローが残る企業では、入力やチェックに多くの時間がかかり、ミスや月末の残業が常態化しています。担当者の負担が限界に近づくことで離職リスクが高まり、人材不足がさらに加速する悪循環が生まれています。

このスパイラルを断ち切る手段として、多くの企業がクラウド会計の導入に注目しています。本記事では、クラウド会計で経理業務を効率化し、人材不足を解消するための実践ステップを紹介します。

>関連記事はこちら:『【税理士事務所が解説】最近よく聞くクラウド会計とは?メリット・デメリットを解説

目次

クラウド会計が経理人材不足を解消できる理由

クラウド会計が経理人材不足を解消できる理由として、まず自動仕訳や銀行・クレジットカードとの自動連携により、日々の入力作業を大幅に削減できる点が挙げられます。これまで手作業で行っていた仕訳やチェックの多くが自動化されるため、担当者の作業負担が軽減し、限られた人員でも業務を回しやすくなります。

また、クラウド会計はリモート環境に対応しているため、在宅勤務や地方在住者の採用が可能になります。これにより、採用範囲が広がり、都市部に限らず優秀な人材を確保しやすくなります。働き方の柔軟性が高まることで、離職防止にもつながります。

さらに、クラウド会計を活用することで、担当者ごとに異なっていた処理方法を統一し、業務の標準化を進められます。属人化が解消されることで、引き継ぎが容易になり、誰が担当しても同じ品質で業務を進められる体制を整えられます。

加えて、クラウド会計は経営者や税理士とデータをリアルタイムで共有できるため、月次の遅れや確認作業の手戻りが減少します。コミュニケーションがスムーズになり、経営判断のスピードも向上します。こうした仕組みにより、限られた経理人員でも効率的に業務を進められる環境が整います。

クラウド会計導入で削減できる具体的な業務

クラウド会計を導入すると、これまで多くの時間を費やしていた日常的な経理作業を大幅に削減できます。特に手入力や確認作業が中心になっていた業務は自動化が進み、担当者の負担を軽くしながら業務効率を高められます。以下では、クラウド会計によって削減できる具体的な業務を紹介します。

・銀行明細・クレカ明細の手入力削減 :口座やカードのデータを自動取得し、手入力や照合作業の負担を減らせます。
・領収書の手入力・仕訳作業の削減 :スキャンやアプリで読み取ることで、仕訳の自動化が進みます。
・月次決算の集計作業の効率化 :自動集計やレポート機能により、月次処理のスピードが向上します。
・経費精算チェックの簡素化 :自動チェックやワークフロー機能で確認作業の手間を減らせます。

給与計算との連携による二重入力の排除 — 勤怠や支給データを連携することで、入力ミスや重複作業を防げます。

このように、クラウド会計は日々の細かな作業を自動化し、手入力や確認作業の負担を大きく減らします。結果として、限られた人員でも経理業務を効率的に進められる体制を整えられ、人材不足の解消につながります。

>関連記事はこちら:『【経理業務が回らない】経理担当者が突然退職したときの対処法を徹底解説

導入ステップ:経理人材不足の企業が取るべきプロセス

クラウド会計を効果的に導入するためには、やみくもにシステムを入れるのではなく、順序立てて準備を進めることが重要です。特に経理人材が不足している企業では、限られたリソースで最大の効果を得るために、導入プロセスを丁寧に進める必要があります。ここでは、企業が取るべきステップを順番に紹介します。

ステップ1:現状の経理プロセスを棚卸しする

クラウド会計の導入を検討する際の最初の一歩は、今の経理業務がどのように回っているのかを正確に把握することです。現状のプロセスを可視化しておくことは、導入後に「どこから手をつけるべきか」「何をクラウドに任せるべきか」といった迷いをなくすための土台になります。

具体的には、紙の証憑がどれだけ残っているのか、仕訳入力は誰がどのタイミングで行っているのか、月次決算が遅れる原因はどこにあるのか、といった点を丁寧に洗い出していきます。こうした実態を一つひとつ明らかにすることで、クラウド会計が解決すべき課題が自然と浮かび上がってきます。

ステップ2:課題と導入目的を明確にする

棚卸しで見つかった課題を整理し、クラウド会計で何を実現したいのかを明確にします。目的が曖昧なまま導入を進めてしまうと、「結局何が変わったのか」が分からないまま終わってしまうため、この段階で方向性を固めておくことが重要です。

例えば、以下のような課題が考えられます。

・入力作業を自動化したい
・証憑を電子化して保管をラクにしたい
・月次決算を早めたい
・属人化を解消したい

こうした目的を明確にしておくことで、導入後の効果が測りやすくなるだけでなく、社内の理解や協力も得やすくなります。

ステップ3:必要な機能を要件としてまとめる

目的が定まったら、次は必要な機能を整理します。 クラウド会計は多機能ですが、すべてを使う必要はありません。 むしろ、自社に必要な機能だけを選び取ることが成功のポイントです。

たとえば、以下のようなものがあります。

・銀行・クレカの自動連携
・請求書の電子発行
・経費精算アプリとの連携
・承認ワークフロー

こうした要件を明確にしておくと、後のシステム選定が格段にスムーズになります。

ステップ4:システム選定と導入計画の策定

要件が固まったら、複数のクラウド会計を比較し、自社に最適なものを選びます。 選定の基準は「有名かどうか」ではなく、自社の課題を解決できるかどうかです。比較のポイントは、操作性、連携範囲、証憑電子化のしやすさ、サポート体制、税理士との相性など。 選定後は、繁忙期を避けた導入スケジュールを組み、段階的に進める計画を立てます。

ステップ5:初期設定・データ移行・運用定着まで進める

最後のステップは、実際の導入作業と運用の定着です。 勘定科目や取引先マスタの整理、過去データの移行、証憑提出ルールの統一など、地道な作業が続きますが、ここを丁寧に行うことで導入後の安定運用が実現します。

試験運用を経て本番運用に移行した後は、3か月ほどを“慣れる期間”として位置づけ、エラーや疑問点を解消しながら運用を固めていきます。

クラウド会計の導入は、経理業務全体を見直すプロジェクトであり、5つのステップを順に進めることで、限られたリソースでも着実に導入を成功させることができます。

導入後に期待できる効果

クラウド会計を導入することで、企業は経理業務の効率化だけでなく、組織全体の意思決定力向上にもつながる多くのメリットを得られます。ここでは、導入後に期待できる主な効果を整理します。

・作業時間の大幅削減 :自動連携や証憑の電子化により、従来比で30〜70%の工数削減が期待できる
・ミスの減少手入力が減ることで転記ミス・入力漏れ・二重計上などのヒューマンエラーが大幅に減る
・決算の早期化データがリアルタイムに集約されるため、月次・四半期の締め作業がスピードアップする
・経理担当者の負担軽減手作業や確認作業が減り、精神的・物理的な負荷が軽くなる
・経営判断のスピード向上最新の数値をすぐに把握できるため、意思決定の質とスピードが向上する

このように、クラウド会計の導入は単なる業務効率化にとどまらず、経理体制の強化や経営判断の質向上にも直結します。限られたリソースでも大きな成果を得られる点が、クラウド会計の大きな魅力です。

>関連記事はこちら『今後、経理業務のDX化は当たり前になる!?デジタル活用のメリットを解説

導入を成功させるための4つのポイント

クラウド会計の導入は、単にシステムを入れ替えるだけではなく、経理業務そのものを再設計するプロジェクトです。ここでは、導入を確実に成功させるために押さえておきたい4つのポイントを整理します。

経理担当者の巻き込み

クラウド会計の導入は、実際に日々の業務を担う経理担当者の協力なしには進みません。 「現場が使いこなせるか」「運用が負担にならないか」といった不安を解消するためにも、初期段階から担当者を巻き込み、意見を取り入れながら進めることが重要です。

現場の課題をヒアリングする
操作説明やトライアル期間を設ける
新しい運用ルールを一緒に作る

こうしたプロセスを通じて、導入後の定着率が大きく向上します。

税理士との連携

クラウド会計は、税理士とのデータ共有が容易になる点も大きなメリットです。 しかし、税理士側がクラウド会計に対応していなかったり、運用方針が合わなかったりすると、導入効果が十分に発揮されません。

・税理士がクラウド会計に対応しているか
・どの機能をどこまで活用するか
・月次の役割分担をどうするか

これらを事前にすり合わせることで、スムーズな運用が実現します。

 

ワークフローの見直し

クラウド会計を導入しても、旧来の紙文化やExcel中心の運用が残ったままでは効果が半減します。 導入を機に、業務フローそのものを見直し、電子化・自動化を前提とした新しいワークフローを設計することが重要です。

【例】

・領収書は紙提出ではなくアプリ提出に統一
・承認フローをクラウド上で完結させる
・証憑の保管ルールを電子化基準に合わせる

業務フローを最適化することで、クラウド会計の効果が最大化されます。

 

セキュリティ対策

クラウド会計は利便性が高い一方で、データをオンラインで扱う以上、セキュリティ対策は欠かせません。

・アクセス権限の設定
・パスワード管理の徹底
・二要素認証の利用
・ログ管理の実施

これらを適切に行うことで、情報漏えいリスクを最小限に抑え、安全に運用できます。

 

クラウド会計の導入事例

ここでは、実際に弊社へご相談いただき、クラウド会計の導入によって経理体制を改善した小売業の事例をご紹介します。 人材不足に悩む企業がどのようにして業務効率化を実現したのか、そのプロセスと成果をまとめました。

属人化と採用難を同時に解消した小売業A社の取り組み

小売業のA社では、経理担当者が1名のみで業務を抱えていたため、紙の領収書管理やExcelによる手入力作業が慢性的な負担となり、月末には残業が常態化していました。担当者の退職リスクが高まる中、業務の属人化と採用難に課題を感じたことから、当事務所へクラウド会計導入のご相談をいただきました。

当事務所では、銀行明細の自動連携や領収書の電子保存、経費精算のワークフロー化など、A社の業務実態に合わせた設定を行い、同時に証憑提出ルールや承認フローを整理して運用ルールを明確化しました。その結果、経理作業時間は大幅に削減され、1名体制でも無理なく業務が回る仕組みが整い、追加採用が不要となったことで採用コストの削減にもつながりました。

さらに、処理基準が統一されたことで属人化が解消され、経営者がリアルタイムで数値を確認できる体制が整い、A社は効率性と安定性を兼ね備えた経理運用を実現することができました。

属人化と採用難を同時に解消した小売業A社の取り組み

小売業のA社では、経理担当者が1名のみで業務を抱えていたため、紙の領収書管理やExcelによる手入力作業が慢性的な負担となり、月末には残業が常態化していました。担当者の退職リスクが高まる中、業務の属人化と採用難に課題を感じたことから、当事務所へクラウド会計導入のご相談をいただきました。

当事務所では、銀行明細の自動連携や領収書の電子保存、経費精算のワークフロー化など、A社の業務実態に合わせた設定を行い、同時に証憑提出ルールや承認フローを整理して運用ルールを明確化しました。その結果、経理作業時間は大幅に削減され、1名体制でも無理なく業務が回る仕組みが整い、追加採用が不要となったことで採用コストの削減にもつながりました。

さらに、処理基準が統一されたことで属人化が解消され、経営者がリアルタイムで数値を確認できる体制が整い、A社は効率性と安定性を兼ね備えた経理運用を実現することができました。

建築事務所T社における経費精算フロー改善とクラウド会計導入の事例

建築事務所のT社では、現場訪問や打ち合わせが多い業務特性にもかかわらず、交通費や資材購入費の精算方法が統一されておらず、担当者ごとの判断で処理が行われていたため、経費計上のばらつきや証憑管理の煩雑さが課題となっていました。

紙の領収書が各現場や事務所に散在し、Excelでの集計にも限界を感じていたことから、T社は当事務所へ経理フローの整理とクラウド会計導入のご相談をいただきました。当事務所では、現場経費の分類基準や証憑提出ルール、承認フローを明確化するとともに、クラウド会計側で領収書のスマホ保存、交通費の自動計算、プロジェクト別の経費紐づけなどを設定し、業務フローとシステムが連動する仕組みを構築しました。

導入後は経費精算のスピードが向上し、プロジェクト別の原価把握が容易になったことで経営判断の精度も高まり、T社は効率性と透明性を兼ね備えた経理体制を実現することができました。

>関連記事はこちら『経理アウトソーシング失敗の事例と防止策|成功のポイントを経理専門家が徹底解説

まとめ

クラウド会計の導入は、慢性的な経理人材不足を根本から解消し、業務の標準化と自動化によって経理の生産性を大きく向上させる有効な手段です。リアルタイムで正確な数値が把握できるようになることで経営判断のスピードも高まり、企業全体の意思決定力が強化されます。人口減少が進み採用がますます難しくなる今こそ、経理体制を見直し、クラウド会計を活用した効率的で持続可能な仕組みづくりに踏み出すべきタイミングだといえます。

クラウド会計に関するよくある質問

以下にクラウド会計に関するよくある質問をまとめました。

Q. クラウド会計を導入すると、どれくらい業務が効率化されますか?

クラウド会計の自動仕訳・明細連携・証憑電子化により、入力作業や確認作業が大幅に削減されます。企業規模や運用状況にもよりますが、30〜70%の工数削減が期待できます。

Q. 経理担当者がクラウド会計に慣れられるか不安です。サポートはありますか?

導入時の初期設定や操作説明、運用ルールの整備まで当事務所がサポートいたします。試験運用期間を設けることで、担当者が無理なく慣れていける体制を整えています。

Q. 紙の領収書が多いのですが、電子化に切り替えることはできますか?

可能です。スマホ撮影による電子保存や、電子帳簿保存法に対応した証憑管理の仕組みを構築できます。紙の保管量が減り、検索性も向上します。

Q. 税理士がクラウド会計に対応していない場合はどうすればよいですか?

クラウド会計に精通した税理士がサポートすることで、月次処理や決算業務をスムーズに進められます。当事務所ではクラウド会計に対応した運用体制を整えております。

Q. 導入にどれくらいの期間がかかりますか?

企業の規模やデータ量によりますが、一般的には1〜3か月程度で本番運用が可能です。繁忙期を避けたスケジュールを組むことで、負担を最小限に抑えながら導入できます。

クラウド会計の導入でお困りでしたらご相談ください

中央区日本橋経理代行では、母体となる税理士事務所サイバークルー株式会社が御社にとって最適なクラウド会計の導入による経理業務効率化をご提案しています。弊社へのご依頼をきっかけにクラウド会計を導入された企業様の実績も多数ございます。「経理業務を効率化したいが何から手をつけたら良いかわからない…。」「クラウドを導入したいがどうしたら良いかわからない…。」「経理代行サービスを依頼したいが依頼する内容が整理できない。」といった経営者の方のご要望にお応えいたします!
税理士と経理代行のご契約は別の契約となりますので、既に他の税理士さんとご契約いただいている場合でも、経理代行サービスのみのご利用も可能です。
まずは中央区日本橋経理代行サービス無料相談をご活用ください。こちらよりサービス内容の詳細もご確認いただけます。

この記事を担当した税理士
サイバークルー会計事務所 代表 横山 禎一(よこやま ていいち)
保有資格1961年、愛知県に生まれる。1985年同志社大学卒業後、大手化学メーカーに勤務。 退社後、1993年に米国のジョージ・ワシントン大学にてMBAを取得。帰国後、外資系企業の経営企画室や財務・経理部に勤務しながら、筑波大学大学院で修士法学取得。2000年に日米合弁のITベンチャーの立上げに加わり、10数億円の資金を集めIPOを目指したが、2003年に倒産。 この経験から、会社の倒産を防ぐ税理士・行政書士事務所を設立。起業希望者や起業家をサポートする「日本起業家倶楽部」を立上げ、創業スクールやセミナー・交流会などを主催している。
専門分野税理士、行政書士、MBA
経歴経理体制構築、経営計画サポート
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